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丸山眞男から学んだこと 秩序の問題

丸山眞男「ある自由主義者への手紙」(1950)
p.149-150
から
(適宜改行してある。)

以下の部分は、秩序を自己目的化、絶対化してはいけないことを教えてくれる。

ーーーーー
僕はむろん秩序を尊重し無秩序を排する。
しかし同時に僕は
「秩序は一つの目的ではあるが、それだけ孤立して存在は出来ない。なぜかというと、ただ秩序だけではそれは隷属を意味するかもしれないし、牢獄あるいは強制収容所を意味するかもしれない。更に秩序は少数者が多数者を、強者が弱者を秩序正しく搾取することを意味するかもしれない。秩序は力の崇拝であり正義の侮辱でもありうる。秩序が社会共同の福祉の道具となるときにのみ、それは尊敬され服従される。」というメリアムの言葉(C.E.Merriam, Systematic Politics, 1945, p.45)
に共鳴する。
セオドア・ルーズベルトがある時メリアムに「秩序(オーダー)と正義(ジャスティス)のどっちかを選ばねばならなくなったら、私はいつも秩序の側に立つだろう、あなたはどうですか」ときいたときに、
メリアムは「恐らく私は反対です、私は”アメリカ革命の息子たち”に属しています」と答えた(op. cit. p.64)・・・
しかし万一不幸にしてこの選択の前に否応なく立たされる時があったならば、その時はーー僕はやはりメリアムに与する。
ーーーーー

メリアムについての知識がほとんどなかったのだが、アメリカの政治学に大きな役割を果たした人のようである。

参考
Wikipedia メリアム
中谷義和「メリアム政治学の脈絡化 ひとつの解釈」(立命館法学1995年3号(241号)
和田宗春「『シカゴ』・『社会変化と政治の役割』の邦訳とC.E.メリアム研究の新視点 ―日本メリアム学会(仮称)設立の提唱―」(文京学院大学人間学部研究紀要 Vol.8, No.1, pp.255-263, 2006.12)

政治権力 上 その構造と技術
C.E.メリアム, 斎藤 眞 訳, 有賀 弘 訳 東京大学出版会・UP選書
政治権力 下 その構造と技術
C.E.メリアム, 斎藤 眞 訳, 有賀 弘 訳 東京大学出版会・UP選書

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