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同一性保持権が問題となった判例リスト(4/8)

(1999.4作成)

10  東京地決昭和54年 3月 3日(判タ378号85頁)
   漱石初版本装幀事件(評釈:美作太郎・著作権百選180頁、大瀬戸豪志・著作権百選(第二版)196頁)
 夏目漱石の初版本の復刻出版につき、装幀部分の製造販売禁止の仮処分が認容された事例(仮処分決定のため詳細は不明である。)
<△ 同一性保持権(又は複製権)の侵害ー肯定(?)>

11  東京地判昭和54年 3月30日(判タ397号148頁)
   「現代世界総図」事件(評釈:林修三・著作権百選98頁、野一色勲・著作権百選(第二版)112頁)
 資料提供・具体的指示のもとでの地図作成は創作的表現行為ではないとして、縮尺率を変更した地図を分冊方式の百科事典に折り込んで頒布した行為についての著作者人格権(同一性保持権)侵害の主張を否定した事例(著作財産権の侵害も否定した。)
<● 同一性保持権の侵害ー否定>

12  最三判昭和55年 3月28日(民集34巻3号244頁、判時967号45頁、判タ415号100頁)
   マッド・アマノ事件第1次上告審判決
→ 4-3

13  東京地判昭和55年 9月17日(無体集12巻2号456頁)
   「地のさざめごと」事件
 遺稿集の新版の発行が編集著作権及び編集著作者人格権を侵害したとされた事例
<○ 著作者人格権の侵害ー肯定  ○ 著作財産権(編集著作権)の侵害ー肯定>
 (ただし、主として氏名表示権が問題にされたようである。)

14  東京高判昭和55年 9月29日(判時981号75頁、判タ431号72頁)
   「民青の告白」事件控訴審事件
→ 3-2

15  東京地判昭和57年12月10日(判タ499号224頁)
   縮小投影露光装置の基本原理事件
 装置のパンフレットや雑誌論文で先行文献を引用しないことが先行文献の著作者の著作者人格権(どの権利か不明)を侵害しないとした事例(詳細は不明)
<△ 同一性保持権の侵害ー不明>  

16  東京高判昭和58年 2月23日(無体集15巻1号71頁、判時1069号21頁、判タ490号49頁)
   マッド・アマノ事件第2次控訴審判決
→4-4

7  東京地判昭和59年 4月25日(判タ536号438頁)
   歯周疾患図説事件
書名、表題等が変更されて出版され、著作者人格権(同一性保持権)、著作財産権(複製権)の侵害を根拠とする請求が消滅時効により否定された。
<△ (消滅時効)>          

18  東京地判昭和59年 5月14日<昭和50年(ワ)480号事件>(判時1116号123頁、判タ525号323頁、無体集16巻2号315頁)
   「アメリカ語要語集」・竹村出版事件(評釈:土井輝生・マスコミ百選196頁、渋谷達紀・著作権百選76頁)
 辞典における一部の模倣につき、別個独立の編集著作物として成立しているから、全体としてみれば、改変したものと認められないとして著作者人格権としての同一性保持権の侵害を否定した事例(ただし、著作者人格権としての氏名表示権、著作財産権としての編集著作権の侵害を肯定した。)
<● 同一性保持権の侵害ー否定  ○著作財産権の侵害ー肯定>
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