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(1999.4作成) 18-2 東京高判昭和60年11月14日(無体集17集3号544頁) 「アメリカ語要語集」・竹村出版事件 辞典における一部の模倣につき、別個独立の編集著作物として成立しているから、全体としてみれば、改変したものと認められないとして著作者人格権としての同一性保持権の侵害を否定した事例(ただし、著作者人格権としての氏名表示権、著作財産権としての編集著作権の侵害を肯定した。) <● 同一性保持権の侵害ー否定 ○著作財産権の侵害ー肯定> 19 東京地判昭和59年 5月14日<昭和52年(ワ)2028号事件等>(判タ525号323頁) 「アメリカ語要語集」・研究社事件 原告執筆の英和辞典と類似の素材の収録がごく一部にしか認められない被告の英和辞典について編集著作権・著作者人格権の侵害を否定した事例 <● 著作者人格権の侵害ー否定 ● 著作財産権(編集著作権)の侵害ー否定> 20 大阪地判昭和60年 3月29日(無体集17巻1号132頁、判時1149号147頁、判タ566号278頁) 大阪事業名簿事件(評釈:中山信弘・ジュリ919号93頁、渋谷達紀・判評321号57頁(判時1163号227頁)、斉藤博・著作権百選104頁、斉藤博・著作権百選(第二版)124頁、斉藤博・ジュリ臨時増刊862号239頁) 商業広告について改変して掲載発表したとの行為につき、表現形式上の本質的な特徴部分が相当異なり、単なる複製でも翻案でもないなどとして、著作者人格権(同一性保持権と思われる。)、著作財産権の侵害を否定した。 <● 同一性保持権の侵害ー否定(?)> 21 東京高判昭和60年11月14日(無体集17集3号544頁) アメリカ語要語集事件 →18-2 22 東京地判昭和61年 2月 7日(判タ588号103頁) 「もうひとつのヒロシマ」事件 「まえがき」「あとがき」中の重要部分を削除した書籍を増刷頒布した行為につき、著作者人格権(同一性保持権)の侵害を認めた事例 <○ 同一性保持権の侵害ー肯定> 23 東京地判昭和61年 3月 3日(無体集18巻1号47頁、判時1183号148頁、判タ609号95頁) 総選挙当落予想表事件第一審判決(評釈:小泉直樹・ジュリ937号94頁、澤木敬郎・著作権百選20頁) 選挙の当落予想表の符号を一部改変して週刊誌に掲載して発売したとの行為につき、複製ないし翻案したものとはいえないなどとして、著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)の侵害を否定した事例 <● 同一性保持権の侵害ー否定> 23-2 東京高判昭和62年 2月19日(判時1225号111頁、判タ629号221頁、無体集19巻1号30頁) 総選挙当落予想表事件控訴審判決(評釈:半田正夫・判評351号47頁(判時1266号209頁)、大瀬戸豪志・ジュリ臨時増刊910号250頁、秋吉稔弘・著作権百選(第二版)12頁) 選挙の当落予想表の符号を一部改変して週刊誌に掲載して発売したとの行為につき、原稿を一部改変した部分を含むものであることは否定できないとして、著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害するとした事例 <○ 同一性保持権の侵害ー肯定> 24 最二判昭和61年 5月30日(民集40巻4号725頁、判時1199号26頁、判タ609号28頁) マッド・アマノ事件第2次上告審判決 → 4-5 25 東京高判昭和62年 2月19日(無体集19巻1号30頁、判時1225号111頁、判タ629号221頁) 総選挙当落予想表事件控訴審判決 →23-2 26 東京地判昭和62年 7月10日(判時1258号123頁) 家庭教師と予備校等との比較表事件」 家庭教師、予備校等の長所、短所を比較した表が同様の表の複製物であるとされた事例 <○ 同一性保持権の侵害ー肯定 ○ 著作財産権(複製権)の侵害ー肯定> 27 東京地八王子支判昭和62年 9月18日(無体集19巻3号334頁、判時1249号105頁、判タ647号260頁、判例地方自治39号44頁) 館林市庁舎壁画事件(評釈:松尾和子・ジュリ985号129頁、伊藤真・著作権百選(第二版)18頁) 館林市の市庁舎に展示された壁画が日野市の市庁舎の壁画の変形物とされ、著作者人格権(同一性保持権)、著作財産権(変形権)の侵害を肯定した事例 <○ 同一性保持権の侵害ー肯定> (「原告は本件壁画が製作展示されたことにより、日野市壁画より質的に劣ると考えられる本件壁画も原告の製作によるものと誤解されたことが認められ、このことは原告が有する著作者人格権のうち同一性保持権の侵害になると解される」とした。) |
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