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杉並区・住基ネット訴訟 控訴審・第3準備書面から(2/4) 権利内容不明確論等について


 2 権利内容不明確論等について

(1)控訴人はプライバシー権の内容が不明確であるという主張などをしているが,この点に関して,大阪高裁判決(甲72 47頁)は,「プライバシーに属する情報といっても,その中には,思想,信条,宗教などといった,人の人格的自律ないし評価に直接関わり,一般に秘匿の要請が高度な情報(固有情報)もあれば,そうでないもの(外延情報)もあり,特に後者に属する情報の内容や秘匿性の程度については明らかでないところがあるが,それは今後の具体的な事例の積み重ねによって自ずと明らかになっていくものであり,現在それが明確になっていないからといって,自己情報コントロール権自体を認めるべきではないとは解されない。」としており,これは,控訴人が控訴理由書35〜36頁,準備書面(1)20頁,準備書面(2)4〜5頁,7〜8頁で主張してきたことと同旨である。

(2)この点については,名古屋高裁判決(甲74 37頁)も,「控訴人らは,被控訴人ら主張の自己情報コントロール権なる権利は,実定法上の根拠がなく,権利としての成熟性も認められないから,被控訴人ら主張の請求権はそもそも実体法上の権利としては認められない旨主張するが,上記説示のとおり,個人の私的領域に関する情報が公権力によって不当に収集,管理,利用され,それが憲法13条により保障されるべきプライバシー権を害し,又は,これを害する具体的なおそれがある一定の場合には,人格権としてのプライバシー権に基づきこれを差し止める権利があるのであり(その権利を自己情報コントロール権と称するか否かは別として),これに反する控訴人らの上記主張は採用できない。」としているところである。


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