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H19. 1.31 大阪地裁判決(2/2) 介護費(14000円 / 18000円)

前掲
平成19年 1月31日 大阪地裁 判決 <平成16年(ワ)第1808号>
(出典 自動車保険ジャーナル第1703号)

介護費
母67歳まで 日額1万4,000円
それ以降   日額1万8,000円

ーーーーー
  オ 症状固定後の介護費 1億0,977万5,575円
<中略>
    e 職業介護人の使用状況、料金体系
 原告花子の介護については、前記の音楽運動療法を行うために通院する際に限り、
職業介護人による付添がされている。
 Q社は、平成18年4月1日以降の居宅介護による身体介護のサービス利用料金に
つき、市区町村による在宅生活支援費が支給される場合、初めの1時間以上1時間3
0分未満につき5,800円、以降30分ごとに820円とし、そのうち、利用者負
担額を各1割としている(証拠略)。また、午前6時から8時まで及び午後6時から
10時までの間については、早朝ないし夜間料金として25%が、午後10時から翌
午前6時までは深夜料金として50%がそれぞれ加算される(証拠略)。

  (イ) 自宅介護開始以降、原告春子が67歳に達するまでの介護費
 以上のとおり、原告花子は、食事、排泄その他日常生活全般にわたって介助を要し、
定期的に痰吸引をし、褥瘡を防止するための体向変換や手足の拘縮を防止するための
リハビリテーションをする必要があり、特に痰吸引に関しては、痰が気管に詰まった
まま長時間が経過すると、原告花子の生命、身体に重大な結果をもたらす危険がある
から、原告花子の様子を十分に監視する必要があると考えられ、これらのことからす
ると、原告花子の症状は、常時の介護を要するものと認められる。
 そして、現在、主に原告春子が原告花子の介護にあたっており、直ちに職業介護人
のみによる介護に移行するということは考えにくいものの、他方で、原告春子は原告
花子の介護を行う過程で腰痛を患うに至っており、その病状も芳しくないものと認め
られるから、原告春子が主たる介護を行う状態が今後長期にわたり継続することを前
提に介護費を算定することは相当でない。そうすると、原告春子が67歳に達するま
での間については、職業介護人が主たる介護を行い、原告春子がその補助を行う可能
性を考慮して介護費を算定するのが相当であり、前記の職業介護人のサービス利用料
金、自治体から支援費等が相当程度支給されると考えられること等を考慮すると、自
宅療養開始時(症状固定日の約1年後。対応するライプニッツ係数は0.9523)
以降、原告春子が67歳に達するまで(症状固定日の9年後。対応するライプニッツ
係数は7.1078)の介護費としては、日額1万4,000円を認めるのが相当であ
る。

  (ウ) 原告春子が67歳に達して以降、原告花子の余命期間までの介護費
 原告春子が67歳に達して以降は、原告春子が原告花子の介護を行うことは困難と
なり、職業介護人が原告花子の介護を全面的に行うことになると考えられる。
 このことを前提として、前記(イ)の各事情を考慮するならば、原告春子が67歳
に達して以降、原告花子の余命期間まで(症状固定日の62年後)の介護費としては、
日額1万8,000円を認めるのが相当である。

  (エ) 以上より、次の計算式のとおり、自宅介護開始時以降、原告春子が
67歳に達するまでの介護費は3,145万4,605円、原告春子が67歳に達して
以降の原告花子の余命期間の介護費は7,832万0,970円となり、以上の合計は、
1億0,977万5,575円となる。
 (計算式) 14,000×365×(7.1078−0.9523)=31,45
4,605
 18,000×365×(19.0288−7.1078)=78,320,970
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