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H11. 2.25 最一小 △(★民集、肝硬変、検査義務、肝細胞がん、延命可能性、不作為と死亡との因果関係)

■28 (旧5) (有責方向(17))
最高裁第一小法廷 平成11年2月25日判決 <平成8年(オ)第2043号>
KW:肝硬変、検査義務、肝細胞がん、延命可能性、不作為と死亡との因果関係
 
 
(裁判官:遠藤光男、小野幹雄、井嶋一友、藤井正雄、大出峻郎)
 ★民集53巻2号235頁、判時1668号60頁、判タ997号159頁、裁時1238号4頁
 ★調査官解説:八木一洋・判解7事件(曹時52巻8号183頁、ジュリ1163号140頁、ジュリ増刊(最高裁時の判例2)218頁)
 <破棄差戻し>
 
 
<(S5.9.14生)、S58.11.4、牧坂内科消化器科医院>
 
<評釈等>
佐藤陽一・判タ臨増 1036号104頁(平11主判解)、新美育文・ジュリ別冊 176号168頁(民法判例百選U 債権 第5版新法対応補正版)、新美育文・ジュリ別冊 160号168頁(民法判例百選U 債権 第5版)、大塚直・ジュリ 1199号9頁、新美育文・ジュリ臨増 1179号87頁(平11重判解)、澤野和博・ジュリ 1177号188頁、水野謙・ジュリ 1165号82頁、吉田邦彦・判評 490号27頁(判時1688号213頁)、加藤新太郎・NBL 688号64頁、野田寛・年報医事法学 15号144頁、(最高裁判決速報)・民事法情報 152号19頁、寺沢知子・摂南法学 23号61頁、野田宏・法の支配 118号66頁、野村好弘 他・賠償科学 27号14頁、石川寛俊・センターニュース 135号6頁、加藤了・ひろば 52巻10号37頁、樫見由美子・法教 234号21頁(別冊・判例セレクト’99)、手嶋豊・法教 228号124頁、花本広志・法セ 554号19頁、窪田充見・民商 121巻4・5号129頁、鎌田薫・リマークス 20号70頁(2000年上)、医事法令社・医療判例解説 11号59頁
<審級経過>
第一審:福岡地裁小倉支部 平成7年5月16日判決 <昭和62年(ワ)第175号>
控訴審:福岡高裁 平成8年6月27日判決 <平成7年(ネ)第484号ほか>
 (360万円を認容)
☆差戻後控訴審:福岡高裁 平成14年7月 (不詳、360万円を認容) 
☆差戻後上告審:最高裁第2小法廷 平成16年9月8日 上告不受理決定
 
<要旨>
 医師の不作為と患者の死亡との間の因果関係の存否の判断と患者が適切な診療行為を受けていたとした場合の生存可能期間の認定
 医師が肝硬変の患者につき肝細胞がんを早期に発見するための検査を実施しなかった注意義務違反と患者の右がんによる死亡との間の因果関係を否定した原審の判断に違法があるとされた事例
(医師が注意義務に従って行うべき診療行為を行わなかった不作為と患者の死亡との間の因果関係は、医師が右診療行為を行っていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度の蓋然性が証明されれば肯定される。)

<コメント>
* この判決は、不作為と死亡との因果関係をなかなか認めてこなかった下級審判決に修正を迫るものであり、影響が大きい。この最高裁判決後は、不作為と死亡との因果関係は格段に認められやすくなったと言える。

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