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H13. 6. 8 最二小 △(外傷治療、細菌感染症、感染予防)

■35 (旧11) (有責方向(24))
最高裁第二小法廷 平成13年6月8日判決 <平成9年(オ)第968号>
KW:外傷治療、細菌感染症、感染予防
 
 
(裁判官:亀山継夫、河合伸一、福田博、北川弘治、梶谷玄)
 判時1765号44頁、判タ1073号145頁、訟月48巻7号1685頁、裁時1293号3頁
 <破棄差戻し>
 
 
<(S45.9.24生)、H2.8.17、岐阜大学医学部附属病院)
 
<評釈等>
白崎里奈・判タ臨増1125号80頁、加々美光子・民事法情報191号47頁
 
<審級経過>
第一審:岐阜地裁 平成7年10月12日判決 <平成4年(ワ)297号>
 (判時1589号106頁、判タ907号229頁)
控訴審:名古屋高裁 平成9年2月26日判決 <平成7年(ネ)873号>
 
<要旨>
(重い外傷の治療を行う医師としては、創の細菌感染から重篤な細菌感染症に至る可能性を考慮に入れつつ、慎重に患者の容態ないし創の状態の変化を観察し、細菌感染が疑われたならば、細菌感染に対する適切な措置を講じて、重篤な細菌感染症に至ることを予防すべき注意義務を負う。)
(本件病院の医師が、現実に細菌検査を行った日より前の時点において、創の細菌感染を疑い、細菌感染症による重篤な結果を回避すべく、前記の措置を講じていれば、患者が本件死亡時点においてなお生存していた蓋然性を直ちに否定することはできない。)

<コメント>
* この判決は、臨床現場でしばしば問題となる細菌感染症について、重篤な結果を回避するための注意義務を判示したものとして重要だろう。
  医学的知見を踏まえて、「重い外傷の治療を行う医師としては、創の細菌感染から重篤な細菌感染症に至る可能性を考慮に入れつつ、慎重に患者の容態ないし創の状態の変化を観察し、細菌感染が疑われたならば、細菌感染に対する適切な措置を講じて、重篤な細菌感染症に至ることを予防すべき注意義務を負う」などとした判示は参考になる。

 
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