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H15. 7.18 最二小 ▼(健康診断、肺がん)


 最高裁第二小法廷 平成15年7月18日 判決
(健康診断)
 
 
(裁判官:梶谷玄ほか)
<上告棄却> (滝井繁男反対意見:破棄差戻しをすべき)

 肺がんで死亡した東京海上火災保険の女性社員(当時33歳)の遺族らが、「3回も健康診断でレントゲン検査を受けたのに、がんを見落とされた」として同社と診療所、担当医師3人を相手に損害賠償を求めた訴訟の上告審。

 滝井繁男裁判官は、医療水準は、各医療機関の性格などから個別に決められるものなどとする90年代の二つの最高裁判例を引用し、過失の有無は、当該医療機関で合理的 に期待できる医療水準に照らして判断されなければならないとし、原判決を破棄して審理を差し戻すべきだとの反対意見を述べた。

(朝日など)

<審級経過>
第一審:東京地裁 平成7年11月30日判決 <平成2年(ワ)第10439号>
 (判時1568号70頁、判タ911号200頁、労経速1593号3頁、労判687号27頁)
  保険会社の女子社員の肺がんによる死亡について、社内定期健康診断等をした医師に過失があるとしたが、延命利益の喪失による損害賠償請求や不誠実な医療自体についての損害賠償請求を認めなかった事例

控訴審:東京高裁 平成10年2月26日判決 <平成7年(ネ)第5529号>
 (判タ1016号192頁、労経速1660号15頁、労判732号14頁)
 (評釈等:米津孝司・民商122巻1号128頁、増永謙一郎・判タ臨増1065号102頁)
  集団検診において撮影された胸部レントゲンフィルムの読影を担当する医師が陰影を異常と判断しなかったことに過失がないとし、延命利益の喪失による損害賠償請求及び不誠実な医療自体についての損害賠償請求を認めなかった事例

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